筆者はグラフィックデザインやったり、WEBサイト作ったり、動画編集したり、3Dデータ作ったり、漫画描いたり、イラスト描いたり、商品写真撮ったりしています。
幅広いジャンルで得体の知れない仕事をしているため、他人からこの手の質問をうけることが多いです。
クリエイティブ=自由?
ただ実際のところ、私がやっているレベルはただの「下請け作業」なので「クリエイティブ」とは実は程遠いのです。
クリエイティブとは程遠い単純作業だったり、領収書の整理や帳簿をつけたり、請求書や見積書を作ったり、相談を受けたり、取引先からクレームを受けたりの毎日です。
にも関わらず聞かれるということは、デザイナーとかクリエイターとかフリーランサーとか、はたまた漫画家とかイラストレーターとかフォトグラファーが「ラク」で「自由」で「楽しい」職業のように思われているんだと思います。
たしかにクリエイティブな仕事は自由です。
しかし、仕事がなくて飢え死ぬのも自由だし、仕事に押しつぶされて死ぬのも自由です。
でもこれって自分の仕事を「定義できない」だけで「自由」とは違うんじゃないかと思います。
「フリーランスに自由はない」という常識
クリエイティブの仕事に憧れている人はフリーランスで仕事することに憧れている人も一定数います。
たしかにクリエイティブな仕事の人は出勤時間も自由で、自宅などで仕事をしている人も多くいますし、フリーランスになって会社員よりバリバリ稼いでいる人もいます。
しかし、フリーランス の世界でよく言われるのは「フリーランスは不自由である」ということです。
経済的基盤がしっかりしてないうちは、ほんとに「金」に縛られることになります。クリエイティブな仕事でフリーランスの人は、最初のうちはたいして稼げない仕事でも必死に取り組んで実績を残さないといけないのです。
本当にクリエイティブなのは
思うに、ほんとにクリエイティブな仕事というのは「仕事を生み出す仕事」をしている人のように思います。
意外なように思われますが、もっともクリエイティブな仕事は、会社の職種でいえば営業かもしれません。
人脈を築き、まだ開拓されていないマーケットに飛び込み、何もないところから「労働」を「お金」に変えるシステムを構築する。これ以上にクリエイティブな仕事は他にないのです。
デザイナーだの、クリエイターだのって人たちは、営業の人が作り上げたシステムのもとで働くただの奴隷といっても過言ではないかもしれません。
クリエィティブな仕事の誤解
でもここまで言っても「クリエイティブな仕事っていろいろと好きにできるんでしょ?」といった感じで、信じてもらえないことは多々あります。
クリエイティブな仕事をしている人はカフェでMac適当に叩いて、スカイプかZoomで会議済ませて、空き時間は海でサーフィンやって、みたいな生活しているという認識の人がまだまだ多いのです。
自由な時間に出勤して、自由な服装で、超ラクな仕事という誤解。
・・・服装が自由なのは、着替えるヒマがないからだったりもするのですが。
重たい処理の作業をうっかりスタートしてしまって、腹いせにMacを叩きつけることはあっても、カフェで軽快にオシャレにMacを叩くことなんか・・・めったにありません。
クリエィティブな仕事に就くには?
「クリエィティブな仕事に就くには??」
この質問もよくされる質問の一つです。
クリエィティブな仕事に就くためには一体どんなことを履歴書に書き、面接ではなんて答えたらいいのでしょうか?資格とか学歴が重要なのでしょうか?
「クリエィティブな仕事に就くには??」と聞かれた時私は、たいてい
そんな質問をしない人だけが就けます。
と答えています。
クリエィティブな人はそんな愚にもつかない質問をしてる間に、デザインのポートフォリオ作ったり、スキルの向上を図ったり、なにがしかのプロダクトを作って人に見せて感想を聞いて修正して・・・を繰り返しています。
そして一般的な仕事と違い、履歴書や学歴や資格、面接の受け答えの上手さは必ずしも必要ではありません。
クリエィティブな仕事は未経験でも就職できる?
ハローワークやネットの就職・転職サイトなどでクリエィティブな仕事の求人票を見ると、ほとんどの企業で「2〜3年の経験を持っている人」といったような条件を見かけます。
最初は誰でも未経験者なので、この条件はおかしいと感じる人も多いようですが、クリエイティブな職業はやはり人気も高く、競争率も激しいので未経験の人が採用される確率はほとんどゼロといっても過言はありません。
しかしながら、中には「未経験OK」としている企業があります。しかしこの「未経験OK」はデザイン作業やプログラミングなどの作業を全くやったことがない人でもOK。という意味ではありません。
あくまで「会社に入ってクリエイティブな仕事をやったことがない人でもOK」という意味ですので、デザインやプログラミング、あるいは企画書の作成といった能力をもっていないといけません。
仕事に必要な技術やノウハウをイチから教えて鍛えてくれると言うわけではないのです。
クリエィティブな仕事に就くのではなく、仕事をクリエイティブに
どんなクリエイターも、就職してからクリエイティブな技術を身につけているわけではありません。
すでに何かを作り、生み出す能力があるから、向こうから勝手に仕事をオファーしてくるだけなのです。
ですから「クリエイティブな仕事に就きたい」なんて考えるヒマがあったら「何かを作る」ほうが先なのです。
そう考えれば「クリエイティブな仕事」なんてものはそこら中に転がっていますので、まずは今の自分の仕事を「クリエイティブ」にできるように頑張ってみてはいかがでしょうか?