6月に入り就職活動のシーズンが来ると、リクルートスーツに身を包み、暑い中街中を歩き回っている姿を多く見かけることになります。
一部では日本の就職活動のやり方は「没個性」「一括採用はやめるべき」などという批判もあります。
しかし大学生の就職活動というのは受験勉強して大学まで行き、卒業まで漕ぎ着けることができた人(できる予定の人)へのサービスタイムでもあります。
ぜひ就職活動を頑張っていただきたいところです。
就職氷河期時代は6月の時点で就職活動は終了していた
今から約20年前は就職氷河期と呼ばれた時代でした。2月頃から就職活動をしている学生向けの就職セミナーが開催され、就職活動をしている人はあちこちのセミナーや説明会に参加しました。
しかしその頃の世の中は大手銀行や証券会社がバタバタ潰れ超がつく不景気です。
それに加えてもともと団塊ジュニア世代で若者人口もかなり多い年代でもあり、輪をかけて就職活動の競争率が上がっていました。
表向きには6月から就職活動開始でしたが、多くの企業がそれより早めに有名大学の人間や成績優秀者の採用確保に走っており、6月の時点でほぼ内々定が決まっていたようです。
そして6月を過ぎて就職活動で採用されるのは「補欠の人員」だけでした。つまり6月までに就職が決まっていなかった人はかなり絶対的に不利な状況でした。
当時大学生だった筆者も途中でそれに気づいたものの時すでに遅し、就職活動では希望するメーカーの採用試験を20社ほど受けましたが、全てダメでした。
就職活動で絶対的不利に陥るダメな思考とは?
就職活動をはじめるときに友達などとよく話していたことが「いろんな企業や業種を回ってから決めたい」ということでした。今思えばこれが絶対的にダメな考え方でした。
「いろんなところを回ってから決めたい」という考え方は、はっきりいって「買い物」をするときの思考です。たしかに自分がお金を払って商品を買う際はこの思考でかまわないでしょう。
しかし「就職活動」は「買い物」とは全く逆のやり方で臨まないといけません。就職活動というのは会社の人に審査してもらういわばコンテストのようなものです。
就職活動は美人コンテストやボディビルのコンテストと一緒なのです。品定めして(労働力という)商品を買うのはあなたではなく、会社側なのです。
あなたは就職活動で興味のあるところに「社会科見学」に行くわけではないのです。
就職活動では「学生気分」は完全に捨てないとダメです。あなたは自分にとって有利な「勝てるコンテスト」に応募しないとダメなのです。
多くの学生にとって競走馬の選別のごとく人に品定めされるのは初めての体験なので、案外この事実に気づかないまま就職活動に突入してしまいます。
しかしこの当たり前といえば当たり前のことに気づくかどうかが就職活動成功の第一歩となるのです。
就職活動で絶対に採ってはいけないダメなやり方とは?
「選ぶ側ではなく選ばれる側」というふうに意識が変われば絶対にやってはいけないダメなやり方がみえてくることでしょう。
就職活動で絶対に採ってはいけないダメなやり方、
それは「いろんな業種・職種を回る」です。
これが就職活動では絶対にダメなやり方です。
就職活動では会社説明会に参加申し込みする前から、ネットなどで情報収拾したり、職業適性試験などを受けるなどして業種と職種を絞るべきです。
会社のネームバリューなんかはとりあえず度外視して、業種と職種を絞ることを徹底してください。
就職活動で業種と職種を絞ることのメリット
業種と職種を絞って就職活動することはかなりのメリットをあなたにもたらします。
例えばあなたがバイクが好きでバイクの部品メーカーに対して集中的に就職活動をしたとします。
そしてA社、B社、C社の三社を回ったとします。
そうすると面白い現象が起こるはずです。
A社の面接で聞かれた質問がB社でもC社でも聞かれます。また、A社で聞いた業界の裏話をC社でも聞くことになったりもします。
そう、就職活動では業種・職種が同じであれば、ほぼまったく同じように面接や試験などが展開していくのです。
ダメな就職活動のやり方とダメな営業のやり方はよく似ている
筆者は結局大卒後、証券会社の営業職に就職したのですが、営業の現場では当初契約が全く取れないダメな営業マンでした。
毎日何百本と電話してもアポも取れない、飛び込み営業してもガンガン断られる毎日で精神的にも肉体的にも疲弊していきました。
しかしそんな営業の現場で徐々にわかってきたのが「業界や職種が同じなら人は同じ考え方をする」ということでした。
そしてダメな営業マンだった私でも、お客さんになってくれた人は、
- 学校の先生
- 大学の教授
- 企業で教育係をしている人
- 会社の相談役
などが多かったのです。
その人たちは年齢も住んでいる地域もバラバラですが、ほとんど似たような話、似たような反応をしました。
「人に何かを教える立場」という共通項があったためか、ものの考え方や感じ方、あるいは喋り方まで似てくるのです。
「人は一人一人性格が違う」とよく言われますが、実際は業種・職種が一緒だと性格や思考が似てくる、というのが真実だと思いました。
ダメな就職活動のやり方だと予測できない
これは就職活動でも同じことで、企業の採用担当者や会社の部長など性格も年齢もバラバラだと思いますが、業種と職種が同じならほぼ同じことを言い、同じ反応をしてきます。
つまり、2回目以降から面接や試験の傾向が予測できるようになるのです。
2社目以降からはある意味テストでカンニングをしているのと一緒の状態ですから、就職活動での対策も立てやすいはずです。
逆にダメな就職活動になっているときは、面接官から急に予測から外れた質問が来てドギマギしてしまい失敗する、なんてことが起きます。
また、本命の会社がはっきり決まっている場合は、その会社の試験を受ける前にかならず似たような業種・職種の会社を受けておきたいところです。
就職活動はダメなやり方を絶対に排除しよう
現在は少子化で就職活動の競争率はそこまで厳しくないのかもしれませんが、それでも人気の企業、競争倍率の高い企業というのは一定数存在するかと思います。
そういう企業に就職活動して就職したいと思うのであれば、少なくともダメな就職活動のやり方は絶対避けるべきです。
なかには「どこでもいいけどブラック企業だけには入りたくない」と考えている人もいるでしょうが、この思考もまた「買い物」の思考です。「なんでもいいけど粗悪な商品だけはつかまされたくない」と考えているわけですからね。
しかし企業側も同じように「若ければ誰でもいいけど、変なヤツだけは採用したくない」と考えていることを忘れないでください。