新しい闇金の姿?個人向け資金調達としておすすめされる「給与ファクタリング」とは?

近年、法人間の取引で融資や手形取引の代わりにおすすめな資金調達方法として「ファクタリング」があります。

そして現在は法人や個人事業主だけでなく、個人向けの「給与ファクタリング」というものも現れてきており、借金で苦しむ人の間で口コミで広がっているようです。

しかし給与ファクタリングには反社や闇金が関係してるような違法な業者も多く、甘い口コミや宣伝文句とは裏腹に、出資法違反となるような金利で資金回収しているケースもあるようです。 

個人向けの資金調達・給与ファクタリングを調べてみた

クレジットやキャッシングのような借金にならない個人向けの資金調達手段として近年「給与ファクタリング」が注目されています。

給与ファクタリングのしくみなどを詳しく見ていきたいと思います。

ファクタリングとは?

給与ファクタリングのまえに「ファクタリング」について説明していきます。

「ファクタリング」についてのさらに詳しい解説はこちら

ファクタリングとは事業主や法人が資金調達のために売掛金(債権)を第三者に売却することを言います。

通常のファクタリングはファクタリング会社を通じて早急に資金を調達することができます。

融資とは違い、バランスシートなどの会計上に借金として記録されず、また融資を断られて企業などでも利用することができます。

給与ファクタリングとは?

給与ファクタリングは個人向けの資金調達になりますので、売掛金の代わりに「給与」をファクタリング 会社に売却することができます。

イメージとしては「給与の前借り」に近い感じですが、会社に申し出する必要はなく、お金を手に入れられるので非常に便利です。

給与ファクタリングのメリット・デメリット

これまでのキャッシングやローンなどに代わり、急速に普及してきている「給与ファクタリング」ですが、そのメリットとデメリットを見ていきます。

給与ファクタリングのメリット

給与ファクタリングのメリットとしては、

  • 給料日前にお金を緊急に調達できる
  • クレジットやキャッシングと違い信用情報に影響しない
  • 会社に給与の前借りを頼む必要がない

という感じです。

給与ファクタリングのデメリット

逆に給与ファクタリングのデメリットとしては、

  • 借金ではないので金利はつかないが、高い手数料を取られるため給与を満額もらえなくなる
  • 借金ではないため、手数料の設定に利息制限法などが適用されず、年利20%を超えるような高額の手数料を請求される場合がある

という感じです。

給与ファクタリングはおすすめ?

給与ファクタリングは結論から言うとあまりおすすめではありません。おすすめしない理由としては、すでに裁判などで違法金利で貸し付けていたとして裁判を起こされている会社があるからです。

ネット上の口コミなどで評判だったり、「給与ファクタリングおすすめ〇〇選」と紹介されている会社であったとしても、現在は法的にクレーゾーンな部分が多く、当ブログとしてはおすすめできません。

なお以下で給与ファクタリングがおすすめできない理由を詳しく解説していきます。甘い噂や口コミなどを信じないようにしましょう。

給与ファクタリングの実態を調査

給与ファクタリングは一見便利そうなサービスで、ネット上の口コミなどでおすすめされている場合もありますが、その実態はどうなのでしょうか?また金利など違法性はないのでしょうか?

給与ファクタリングは違法?

給与ファクタリングはまとまったお金をスピーディーに手に入れられるため、おすすめされやすい便利なサービスですが、利息制限法を超える手数料が設定されている場合があり、違法ではないか?とも言われています。

しかし、給与ファクタリングに関しての法律はなく、違法と言い切れるだけの法律的背景がないというのが現状のようです。

【参考】金融庁「賃金債権の譲渡について」
https://www.fsa.go.jp/common/noact/ippankaitou/kashikin/02a.pdf

なお金融庁の見解によれば、給与ファクタリングは手形取引のような貸付の機能があり、給与ファクタリングは貸金業に該当するもの、としています。

違法給与ファクタリング業者の実態は反社や闇金?

給与ファクタリングは違法ではないものの、実質的に借金と同じであり、給与ファクタリング業者は貸金業に該当します。

さらにおすすめとされる給与ファクタリング業者の一部、あるいはほとんどが実は融資断られた人をターゲットにした闇金業者だと言われています。

闇金業者は貸金業登録番号を偽った未登録の違法業者である場合が多く、半グレやヤクザなど反社の人間が営業していたりします。

最近はヤミ金融対策法が制定されたことにより、違法貸金業者の取締はいっそう厳しくなってきたためか、「給与ファクタリング」を隠れミノにして高金利の貸付を行っている違法業者も多いようです。

給与ファクタリングは違法な年利で出資法違反?

給与ファクタリングは実質金融貸付に相当しますので、年利20%以上の金利で貸し付けることは出資法違反となり違法となります。

しかし、給与ファクタリングでは「金利」という名目ではなく「手数料」という名目で請求されますので、給与ファクタリングを利用した人は金利の異常さや違法性に気づかない場合もあるようです。

給与ファクタリングで逮捕?

実は給与ファクタリングで逮捕される事件がすでに起きています。2020年10月13日に給与ファクタリングとして闇金融を営業していた業者が摘発されました。

容疑としては貸金業法違反で、今後裁判が行われていくと思われますが、今後給与ファクタリングに対する取締りは厳しくなっていくものと思われます。

給与ファクタリングは完全に違法ではないが、貸金業法違反の業者が営業している場合も

給与ファクタリングは給与をファクタリング会社を通して前借りできるおすすめなサービスとして口コミが広がっていますが、法律面では完全に違法ではないもののグレーなサービスと言われており、実際にはあまりおすすめできません。

また給与ファクタリングは反社や闇金業者が営業していることも多く、そうした業者の多くは貸金業法違反である可能性が高いです。

もし、違法な給与ファクタリングで高額な手数料を請求された人や騙されたという人は、下記の法律事務所などに相談してみてください。

怪しい、おかしいと思ったら【平柳司法書士事務所】までご相談ください

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